裏書手形

簡単に言えば手形の譲渡です。
裏書と聞きなれない言葉かもしれませんが、問題を解いて言葉に慣れてください。

ではその取引例を見てみましょう。

例:1.B社より商品¥45,000を仕入れ、代金としてC社振り出しの約束手形を裏書譲渡した。保証債務は額面の15%を計上する。
2.上記の手形は無事決済された。

手形の裏書時の仕訳は次の方法があります。
ア.「受取手形」を直接減少させる。
イ.「裏書手形」勘定で処理する。(評価勘定法)
ウ.「手形裏書義務見返」「手形裏書義務」の勘定を使う。(対照勘定法)

つぎに保証債務について。
裏書した手形は裏書したら終わりではなく、万が一C社が倒産して手形がパァになった場合に裏書した当社がその代金をB社に払わなければなりません。そのときのために保証債務を計上します。もちろん、無事決済されたときは計上した保証債務を取り崩します。この点では貸倒引当金の考えみたいなものです。

では上の例の解答です。
ア.の場合は簡単です。

1: (借) 仕入 45,000 |(貸) 受取手形 45,000
保証債務費用 6,750 保証債務 6,750
2: (借) 保証債務 6,750 |(貸) 保証債務取崩益 6,750

イ.は裏書時には自分の受取手形は減らさず、その代わりいくら裏書してますよと区別をつけるために「裏書手形」(負債)を増やします。

1: (借) 仕入 45,000 |(貸) 裏書手形 45,000
保証債務費用 6,750 保証債務 6,750
2: (借) 裏書手形 45,000 |(貸) 受取手形 45,000
保証債務 6,750 保証債務取崩益 6,750

「保証債務」と「保証債務費用」が貸借どちらに書けばいいか迷いますが、「費用」という文字に注目です。「~費用」は損益計算書に出てきます、そして「費用は現金が減る」とイメージします。そうすると、借方にくることがわかります。「取崩益」も同じような発想が出来ます。

ウ.はア.に「手形裏書義務見返」「手形裏書義務」の勘定を付け足します。この勘定の額は手形の額と同じです(保証債務との混同に注意)これも貸借がややこしいですが、「見返」という文字に注目します。見返り=収益 のような感じではないでしょうか。よって見返りが増えた=収益が増えた として借方に書きます。決済時に保証債務みたいに取崩益としないことにも注意です。

1: (借) 仕入 45,000 |(貸) 受取手形 45,000
手形裏書義務見返 45,000 手形裏書義務 45,000
保証債務費用 6,750 保証債務 6,750
2: (借) 手形裏書義務 45,000 |(貸) 手形裏書義務見返 45,000
保証債務 6,750 保証債務取崩益 6,750

この「見返」「義務」が対照であるので、対照勘定法といいます。これを覚えていれば、評価勘定法との区別もつきやすくなりますよ。