総合原価計算(3)

先ほどの例では平均法をやりました。次は先入先出法をやります。考え方は商業簿記でのそれと同じです。先に投入したものから順に完成品とするという風に理解します。
そうすると先ほどのボックス図では、月初の200kgはすべて完成品にいくということになります。そして残った完成品(800-200=600)はすべて当然ですが、当期投入から作られるわけです。当期投入分は全て完成品にいってしまってもまだ1,000-600=400残っています。それが全て月末仕掛品に行きます。
試験問題では先入先出法での計算を指定されるとほとんど月末仕掛品は全て当月投入で作られるといってもいいでしょう。

計算方法は若干複雑になります。
例:月初仕掛品 200kg(20%)
当月投入 1,000kg
合計 1,200kg
月末仕掛品 400kg(50%)
完成品 800kg

( )内は加工進捗度をあらわし、材料は全て始点投入 先入先出法で計算

原価
月初仕掛品:材料費¥80,000 加工費¥20,000
当月投入:材料費¥400,000 加工費¥414,640

まず当月投入の材料費と加工費の単位原価を出します。先入先出法では月初仕掛品分は単位原価を出しません。
材料費 400,000÷1,000=400
加工費 414,640÷960=434

そして完成品の原価を求めます。これも材料費と加工費は別々に計算して、最後に合計します。
まずは材料費。月初の200kgはすべて完成品に行くので、完成品の800kgから200kgを引いた600kg分を当月投入から出します。当月の材料費単価は400ですので、600×400=240,000 それに月初200kg分の80,000を足した320,000が完成品の材料費です。

月末仕掛品は全て当月投入から出されるので、400×400=160,000が月末仕掛品の材料費です。
加工費も同様にして計算します。加工費の計算はボックス図( )内の数字同士で行なうことに注意します。このためにボックス図にはたとえ完成品でも全ての項目に( )をつけ、完成品換算量を記入しているのです。
完成品の加工費は20,000+434×(800-40)=349,840
月末仕掛品は434×200=86,800

よって完成品原価は 材料費 320,000+加工費 349,840=669,840
完成品単位原価は669,840÷800=@837.3
月末仕掛品原価は 材料費 160,000+加工費 86,800=246,800

さらに後入先出法も見てみましょう。
これは先入先出法の逆です。言葉どおり後に入れたものから順に先に出していく。つまりこのボックス図の例だと、当月投入(後に入れたもの)を優先的に完成品(先に出すもの)にするということです。
計算方法としては先入先出法と同じように当月の単位費用を材料費と加工費それぞれ出し、完成品と月末仕掛品の原価を計算します。月初仕掛品は先に入れているため優先順位が低いです。そのため当月投入を全て使ったのちに残った完成品、もしくは月末仕掛品の費用とします。