総合原価計算(2)

実際に例を使って原価計算でよく使うボックス図について説明します。このボックス図はどの原価計算でも使うことができる図でして、非常に便利です。必ずマスターしましょう。

ボックス図の中の意味はこういうものです。

では例題で実際にこの図に書き込んで見ましょう。
例:月初仕掛品 200kg(20%)
当月投入 1,000kg
合計 1,200kg
月末仕掛品 400kg(50%)
完成品 800kg

( )内は加工進捗度をあらわし、材料は全て始点投入 平均法で計算

原価
月初仕掛品:材料費¥80,000 加工費¥20,000
当月投入:材料費¥400,000 加工費¥316,000

これらの数値から当月の完成品と月末仕掛品の原価を求めます。
まず先ほどのボックス図にこのように書き込みます。( )内は投入量に加工進捗度を掛けたものです(完成品換算数量)。これも必ず書きます。一番先に黒字の数値を書き込んだあと、ボックスの左右の数値を合わせる形で赤字の完成品換算数量を書きます。
もちろん左側と右側は合計の数字が一致するようにします。

平均法で計算とありますが、これは月初と当期投入の費用の平均額を出して完成品、月末仕掛品に振り分けるやり方です。実際に計算したほうがイメージをつかめると思います。
また材料は始点投入と書いてありますが、始点投入の場合加工進捗度での計算はしません。なぜなら月末仕掛品400kg分が半分までしか完成していなくても、すでに一番初めに材料を入れているので、400kg分の材料原価を入れることになります。

では材料費の計算をします。平均法、材料費は全て始点投入とあるので(この点も始点投入なのか、順次投入なのかをチェックしなければなりません。材料=始点投入という決め付けはキケンです)月初と当月の原価80,000+400,000=480,000を月初と当月の投入量200+1,000=1,200kgで割り、kgあたりの単位原価を出します。
そうすると材料費のkg単位原価は400円/kgとなります。

加工費の単位原価も算出します。加工費は特に注意書きがない限り完成品換算量、ボックス図でメモした( )内の数字を使って、材料費と同じように計算します。
そうすると20,000+316,000=336,000÷1,000=336 となります。
これら求めた数値もボックス図の脇にメモしておくと、便利です。

材料費の単位原価は投入量に掛け、加工費の単位原価は完成品換算量に掛けて計算します。
よって完成品の原価は
材料費 400×800=320,000
加工費 336×800=268,000
合計 588,800

月末仕掛品は
材料費 400×400=160,000
加工費 336×200=67,200
合計 227,200
となります。

おさらいです。①ボックス図に投入量、完成品換算量のメモを書く。②材料費と加工費それぞれの単位原価を出す。③それをもとに完成品、月末仕掛品の材料費、加工費をそれぞれ出し、合計する。

この手順をマスターすれば、このあとの原価計算も理解が早まります。
あと試験で出てくるのですが、「完成品原価」と「完成品単位原価」の用語の違いに注意です。「完成品原価」を求めなさいと言われたときは、完成品の総材料費と加工費を合計したものをいい(上の例では588,800)「完成品単位原価」を求めなさいときたら完成品原価を完成量で割ります(上の例だと588,800÷800=@736)