直接原価計算(1)

直接原価計算とは損益計算書を作成時に変動費と固定費を分けて計算する方法です。以前に製造間接費の差異分析で変動費と固定費が出てきました。今回は差異分析のために変動費と固定費を分けるのではなく、全体の原価を計算する中で変動費と固定費を分けます。
この計算によって売上製品や月末仕掛品の原価にいくら固定費が入っているのかがわかります。

一方で変動費と固定費を分けない方法を全部原価計算といいます。

では、2つを損益計算書の様式から比較しましょう。
・直接原価計算
・全部原価計算

どうでしょうか。直接原価計算は販売費まで変動費と固定費に分けています。そして売上から変動費を控除した利益を貢献利益としています。この貢献利益はあとでまた出てくるので、覚えて置いてください。
全部原価計算は商業簿記でも馴染みのある様式です。

直接原価計算にはあるルールがあります。それは固定費は当期間の実際発生額のみを計上するということです。これは月初仕掛品、製品に含まれる固定費は計上しないということです。

では実際に2つの計算方法で損益計算書を作ってみましょう。
例:
製品データ
月初120kg(原価¥126,650 うち変動費¥92,550) 当月完成850kg 月末150kg
製品の庫出は先入先出法による。
製品の販売単価は@¥2,000である。

生産データ
月初90kg(0.5) 当月880kg 完成850kg 月末120kg(0.3)

原価データ
月初材料費¥41,440
当月材料費¥396,880 変動加工費¥311,800 固定加工費¥220,100
原価の配分は先入先出法による。材料費は全て変動費であり、始点で投入している。
なお加工費は変動費と固定費をそれぞれの配賦率で予定配賦している。配賦基準は製品年間生産量10,000kgであり、変動加工費の年間予算額は¥3,600,000、固定加工費は¥2,500,000である。

販売費及び一般管理費
変動販売費 @¥150
固定販売費 ¥250,000
一般管理費(全て固定費)¥144,000

答え
全部原価計算
直接原価計算

解説はこちら

まず原価ボックスを作り、当月の完成品と月末仕掛品の原価を求めます。加工費の予定配賦ですが、原価を計算するときは予定額で計算しましょう。原価差異は損益計算書で売上原価に賦課させるため、原価を求めるときはその差異はまだ含めません。

原価差異は借方差異であれば、売上原価に足します。よって月末製品棚卸高を差し引いた後の原価差異のプラスマイナスに注意しましょう。借方差異であれば、上の数値に足します。

直接原価計算では月初製品棚卸高の数値なども変動費のみの原価ですので、間違えないようにしましょう。よって原価差異も変動費のみ計上します。固定費配賦差異は計上しません。実際発生額をⅣに記入します。