工簿の仕訳

工業簿記にも仕訳があります。問題としても出題されます。製造過程の流れを知る上でも仕訳を理解しておくことは重要です。

工業簿記では材料を買ったり、賃金を払ったり、経費を支払ったり、もちろん製品を売ったりします。ですが、商業簿記のように受取手形がどうのこうのという論点ではなく、最終的に物を作ったときにいくら費用がかかったかを表す仕訳をします。

材料の仕訳
材料は直接材料と間接材料に分けられます。直接材料とはどの製品にどのくらい使ったかがわかる材料を指します。例えば、家を建てるときの木材。これは一軒の家にどれくらい使ったかがわかります。一方の間接材料費はどこにどれくらい使ったかわからない材料費です。例えばクギや塗装剤、カナヅチなどの道具。補助材料、消耗品などにあたるものです。こういった直接・間接の区分けはあとに説明します賃金や経費にもありますので、頭に入れて置いてください。

ではいつものように例題に沿って話を進めていきます。
例:1.A材料100本を@¥200を掛で購入し、材料副費を10%予定配賦する。
2.直接材料としてA材料102本、間接材料としてB材料5kg(@¥780)払い出した。なおA材料月初棚卸高は20本@¥180であった。A材料については先入先出法により消費単価を計算している。
3.月末。A材料の帳簿棚卸本数は18本、実地棚卸本数は12本であった。正常な減耗なので棚卸減耗費を計上する。

1: (借) 材料 22,000 |(貸) 買掛金 20,000
材料副費 2,000
2: (借) 仕掛品 20,000 |(貸) 材料 23,900
製造間接費 3,900
3: (借) 製造間接費 1,200 |(貸) 材料 1,200

材料の購入時、材料副費というものを計上することがあります。これは材料を購入してから使うまでの諸費用です。例題では予定配賦でしたが、実際にお金を払う場合もあります。いずれにせよ、材料副費は材料に含めるということを覚えて置いてください。そうすれば「材料副費」の貸借もどちらに書けばいいか分かります。

2.の「払い出す」とは消費するということです。その場合、直接材料は「仕掛品」に、間接材料は「製造間接費」に振り替えます。これも賃金や経費でも同じことです。また先入先出法も商業簿記と同じ要領で計算します。もちろん平均法や後入先出法もあります。

3.棚卸減耗もあります。これは「棚卸減耗費」とするのではなく、「製造間接費」とするところに注意です。この棚卸減耗費は間接経費として扱います。

このように見ると工業簿記も商業簿記と多くの点でつながっていると感じるのではないでしょうか。