売上原価の算定(1)

売上原価の算定とはざっくり言えば、売り上げた分に対しての仕入れ費用の計算です。
売上原価を計算させる問題は必ずといっていいほど出題されます。中でも大問3での出題が多いです。

例題
6/30 商品¥300,000を掛で仕入れた。
8/20 掛で¥500,000を売り上げた。
3/31 決算にあたり売上原価を算定する。

前期繰越商品残高 ¥20,000
帳簿棚卸高 10個 実地棚卸高8個
単価¥200     時価¥150 商品の評価は低価法で行なう。

まず6/30 は(借)仕入 300,000|(貸)買掛金 300,000
8/20は(借)売掛金 500,000|(貸)売上 500,000
となります。これは期中の仕訳です。

問題は決算時3/31の仕訳です。
決算時では、
1. 前期「繰越商品」を「仕入」というラベルに張り替えます(振り替えるといいます)
2. 当期末に売れ残った商品を「仕入」から「繰越商品」に振り替えます。
3. 売れ残った商品の帳簿の数と実際の数などが合わないときは実際の数や価格に合わせます。

仕訳をすると

1: (借) 仕入 15,000 |(貸) 繰越商品 15,000
2: (借) 繰越商品 2,000 |(貸) 仕入 2,000
3: (借) 商品評価損 400 |(貸) 繰越商品 800
棚卸減耗費 400

という具合です。
1の仕訳は前期の繰越商品(売れ残った商品)を当期分の仕入れとして勘定させるための仕訳ですので、「繰越商品」を減らし、「仕入」を増やしています。

2は当期末にのこった商品の帳簿価格です。当期末に残ったものは翌期に繰り越すわけですから「繰越商品」を増やすのです。売れ残った商品は必ず「繰越商品」とします。ですので、貸借対照表には「仕入」がありません。

3は残った商品の数が合わなかったり、価値が下がったりしたのでそれにあわせるために2の繰越商品から価値が下がった分などを引いた仕訳です。

この手順で仕訳を書けばOKです。必ず仕訳のメモは取りましょう。
3の商品評価損、棚卸減耗費を計算するボックス図はもちろん使うべきですが、そのボックス図からダイレクトに精算表などに書き写してしまうと、たとえば3の貸方の「繰越商品」を入れるのを忘れてしまうなどのことが起こりかねませんので、ちゃんと仕訳を書いて貸借の値を仕訳のメモ段階からあわせるようにしましょう。

損益計算書では次のように書きます。(商品評価損は売上原価に含め、棚卸減耗費は販売費として処理する)

Ⅰ売上高           500,000
Ⅱ売上原価
 1.期首商品棚卸高   15,000
 2.当期商品仕入高  300,000
  合  計      315,000
 3.期末商品棚卸高    2,000          
 4.商品評価損          400  313.400
               売上総利益   186,600
Ⅲ販売費および一般管理費
 1.棚卸減耗費     400    400 
                 営業利益   186,200

6/30や8/20の期中の取引と照らし合わせてみると、わかると思います。なお貸借対照表では商品評価損などを控除した棚卸高(例では¥1,200)を「商品」として資産の部に計上します。