増資・減資

資本金をいじくる場合があります。今回はその仕訳を説明します。

例:1.新株400株を@¥40,000で募集し、440株の申し込みがあった。受け取った代金は別段預金とした。
2.新株を割り当て、抽選に漏れた分の代金に関しては返還した。
3.払込期日。申込証拠金を資本金に振り替え、別段預金を当座預金とした。なお会社法規定の最低限度額を資本金とする。

1: (借) 別段預金 17,600,000 |(貸) 新株申込証拠金 17,600,000
2: (借) 新株申込証拠金 1,600,000 |(貸) 別段預金 1,600,000
3: (借) 新株申込証拠金 16,000,000 |(貸) 資本金 8,000,000
株式払込剰余金 8,000,000
当座預金 16,000,000 別段預金 16,000,000

用語が難しいですが、何が減って何が増えたかを意識して解いていきましょう。

新株発行のプロセス
いったん募集時に代金を集め、抽選に漏れた分は返還します。そして払込期日(正式に会社に株式取得のために代金を払い込むこと。その翌日より株主となります)に資本金に振り替えます。
1の代金の支払いと3の払込期日による払込には混同注意です。あと1.は「株式申込証拠金」3.は「株式払込剰余金」です。これもチェックです。

また問題文の「資本金は会社法規定の最低額」に注目します。
原則は払込額の全額を「資本金」とするのですが、半分までなら「資本金」の額を減らし、他に振り分けることが出来ます。ですので、上の例のように「資本金」と「株式払込剰余金」で分ける形になります。
「株式払込剰余金」は「資本準備金」でも構いません。

資本金の増加に関しては、主に新株の発行ですが、「利益準備金」や「繰越利益剰余金」を資本に組み入れることで増資する手もあります。この場合も、問題文をよく読み何が減って何が増えるのかを意識しましょう。そうすれば、おのずと正解の仕訳にたどり着けます。

最後に株式分割について。上の例は新株式の発行で増資ですが、株式の分割は既存の株式の数を増やし、その分の簿価は減少するので、結局のところ資本の額は変わりません。よって仕訳は必要ありません。

次は減資です。
増資と同じ感覚でやります。ただ場合によっては「減資差損益」というものが発生します。

例:発行済み株式のうち300株(発行価格@¥30,000)を@¥25,000で買入消却し、代金は小切手で支払った。

(借) 資本金 9,000,000 |(貸) 当座預金 7,500,000
減資差益 1,500,000

発行価格と買い取り価格を間違えないように注意します。実際の資産の出入りがあるので、このような減資を実質的減資といいます。

例:損失¥4,000,000を補填するため、発行済み株式2,000株(発行価格@¥3,000)について、4株を1株に併合する。

(借) 資本金 4,500,000 |(貸) 繰越利益剰余金 4,000,000
減資差益 500,000

4株を1株に併合するということは4株中3株がなくなるということです。よって2,000株÷4×3=1,500株分の資本金を減らします。
このような資産の出入りのない減資を形式的減資といいます。