勘定記入

標準原価計算の問題では前回お話しました差異分析のほかに、勘定記入の問題を出題されます。勘定記入については、以前に紹介しました。仕掛品の勘定で完成したものは「製品」にいき、売り上げたものは「売上原価」にいく、などの基本的なことは以前と同じです。
しかし、差異を認識する時点の違いで2つの方法があります。

1つはパーシャルプランといって、仕掛品勘定で原価差異を認識します。
もう1つはシングルプラン。これは材料や賃金など各勘定で原価差異を認識します。

いったん差異を認識すれば、その後の流れの中では標準価格で計算します。

つまりパーシャルプランでは仕掛品勘定までは実際価格で各材料勘定などを記入し、仕掛品勘定以降の製品勘定などでは標準原価で記入します。
シングルプランでは材料などの勘定で原価差異を認識するので、それ以降の仕掛品勘定、製品勘定、売上原価勘定は全て標準原価で記入します。

それ以外は以前の勘定記入と同じです。発生が借方、消費が貸方です。

では前回の差異分析の復習もかねて、実際に例題をやってみましょう。

例:製品1個あたり原価標準
直接材料費¥300/kg × 10kg=3,000
直接労務費¥850/h × 4.5h=3,825
製造間接費¥900/h × 4.5h=4,050 合計¥10,875

月初 180個(0.4) 当月 540個 完成品 500個 月末 220個(0.4)
材料は始点投入。当工場では標準原価制度を導入している。

当月の実際原価
直接材料費 6,800kg掛購入 @¥303 月末残高1,500kg 月初残高はなし
直接労務費(作業時間2,390時間 賃率@¥840)
前期未払い¥390,000 当期未払い¥400,000
製造間接費 ¥2,185,000(うち固定費¥1,284,000)

基準操業度は年間28,800時間、固定費予算額は年間¥14,400,000としている。
なお製造間接費は直接作業時間をもとに予定配賦されている。

差異分析をし、パーシャルプラン、シングルプランそれぞれの方法により勘定を記入しなさい。ただし能率差異は変動費と固定費の合計で計算する。

答え:
直接材料費差異¥14,100(貸)
価格差異¥15,900(借)
数量差異¥30,000(貸)
直接労務費差異¥33,900(借)
賃率差異¥23,900(貸)
時間差異¥57,800(借)
製造間接費差異¥95,200(借)
変動費予算差異¥55,000(貸)
固定費予算差異¥84,000(借)
能率差異¥61,200(借)
操業度差異¥5,000(借)

シングルプランの勘定記入
パーシャルプランの勘定記入

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