割賦販売(2)

最後に回収基準の未実現利益控除法です。
この処理方法はちょっとややこしいです。計算が難しいという意味ではなく、他の処理法とごちゃごちゃになりやすいという意味です。

回収基準の未実現利益控除法では販売時の処理は「回収基準」とあるのにかかわらず、「販売基準」と同じ仕訳をします。

例:原価¥200,000の商品を¥300,000で販売した。代金は五回の分割払いである。回収基準、未実現利益控除法で仕訳しなさい。

(借)割賦売掛金 300,000|(貸)割賦売上 300,000

販売基準と全く同じ仕訳です。まずはここに注意をします。
ではなぜこんなややこしい名前なんでしょうか。
本来「回収基準の未実現利益控除法」とは販売基準による収益から未実現利益を調整して回収基準の収益に合わせるというものです。
ですので、最初の販売時は販売基準と同じ処理をします。

実際に例を使って未実現利益を調整してみます。

例:¥200,000で仕入れた商品を¥300,000(5回払い)で販売した。決算までに3回分が支払われている。回収基準、未実現利益控除法による決算整理仕訳をしなさい。

(借)繰延売上利益控除 40,000|(貸)繰延売上利益 40,000

正解の数値は(300,000-200,000)÷5×2 で出します。こちらは1回分の利益を出して計算します。(対照勘定法は1回分の原価を出して仕入から控除)
「繰延売上利益控除」は損益計算書で売上総利益から控除する費用のようなものです。損益計算書の様式は次に例題で説明します。

例:期首棚卸高¥25,000 当期仕入¥200,000 当期売上¥350,000 期末棚卸高¥20,000
なお前期に売り上げた割賦商品(原価¥50,000 売価¥60,000 5回払い)の代金が残り2回支払われ、代金は完済された。また当期販売した割賦商品(原価¥54,000 売価¥90,000 6回払い)は決算までに3回分の支払いが完了している。前期に引き続き、回収基準、未実現利益控除法による処理を行なう。損益計算書を完成させなさい。

Ⅰ 売上高          350,000
Ⅱ 売上原価
  1.期首棚卸高  25,000
  2.当期仕入高  200,000
合計       225,000
  3.期末棚卸高   20,000     205,000
                             145,000
繰延売上利益戻入          4,000
繰延売上利益控除       18,000
売上総利益          131,000

前期に「繰延売上利益控除」として差し引いたものは、当期にその分の代金が回収されれば、その分だけ「繰延売上利益戻入」として当期の売上に加算します。
仕訳は(借)繰延売上利益4,000|(貸)繰延売上利益戻入 40,000 です。

損益計算書でこのように加減する一方で、貸借対照表に「繰延売上利益」という科目が発生します。

控除額 18,000=(90,000-54,000)÷6×3
戻入額 4,000=(60,000-50,000)÷5×2

未実現利益控除法は少し難しいかもしれません。難しいと思う方は気にせずどんどん先に進みましょう。勉強が順調に進み、余裕のある方は是非マスターしてみてください!

割賦販売の処理はいろいろなやり方があり大変です。「対照勘定法は仕入れを控除、仮売上」と覚えておきましょう。その他の販売基準と未実現利益控除法は期中の仕訳が同じで、未実現法は名前から利益を控除することがわかります。